雑感 会長 川村博一 |
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三島香陵会の会長に就任してから早いものでもう四年ちかくの年月が経とうとしている。この間、一昨年から昨年にかけては、大岡信さんの文化勲章受賞やら、坂本由紀子さんの参議院議員当選、そして、沼津東高の教諭をされていた与五沢勲さんの逝去といったさまざまな事柄が続いたが、今年度に入ってからは、特筆すべき事も無く平穏な日々が過ぎていったいる。 |
まあ、そうなると時々思い返されるのは、定期券なるものを手にして、チンチン電車にぶら下がって(…満員で中には入れなかった)今の沼津市民会館の所にあった旧沼津中学に通った昭和十八年頃の感激一杯の思い出である。
その頃の沼津は、自分が育った三島とは遥かに違った大都市であった。第一、地方都市には珍しい威容を誇る御成橋がすごかった。また、あの沼津夜曲の冒頭にもあるように、上り下りのすべての列車が停まる沼津駅は東海道一の大駅であった。
そして、我が沼津中学は東は伊東、熱海から北は小山、御殿場までの俊才を集めた、静岡や浜松にも決して引けをとらない実力を誇示しており、それに応じて、生徒の心意気もすばらしいものであった。
それに比べると、どうも今の東高にはそのような気迫が感じられない。…そんな事を考えるとき、ふと、一抹の淋しさを覚える今日この頃である。 |
(平成18年7月1日付 「香陵同窓会報」から転載) |